Birmingamの宝石産業
(Jewellery Quarter Industry)

 バーミンガム市には、Jewellery Quarter(JQ)と呼ばれる300年以上の歴史を持つ宝石産地がある。JQには宝石を用いたさまざまなアクセサリを製作する工房をはじめ、宝石や関連道具、材料屋さんなど、宝石関連企業が集積している。宝石産地としては、世界最大であろう。
 JQは、1900年頃に全盛期を迎え、その後は世界大戦や経済恐慌などの影響で産地の規模が縮小してきたが、最近は新たしいデザイン開発に取り組むなど、イノベーションに力を入れている。

 今回の現地調査の主な目的は、JQが300年も存続してこられた理由を探ることにあった。地域(地場)産業の存続を担保する要因としては、継続的なイノベーションのほかいくつかの要因が指摘されているが、今回の調査では地域内で人材(職人)を継続的に育成し供給する組織・機関(学校、訓練所など)の重要性について大きな示唆を受けた。

 バーミンガムのJQには、1890年に設立された「宝石学校」(現在は大学、Birmingham City University<Scool of Jewellery>)がある。バーミンガム宝石協会から職人育成の要請を受けて設立された「宝石学校」であるが、この宝石学校で技術・技能を学んだ卒業生の多くがJQ内の工房や関連企業に就職し、あるいは自分で新しい工房を立ちあげる起業家として活躍し、バーミンガムの宝石産地を支えてきた。

宝石大学

バーミンガム大学、大学研究者との意見交換

JQ(Jewellery Quarter)

JQ(Jewellery Quarter)